こんにちは。設計の唐澤です。
新年が明け、あっという間に2か月が経ちますね。
今年は暖冬とのことですが、本格的に寒い季節になってきますので、みなさま健康にお過ごしくださいませ。
目次
今回のテーマは「省エネ住宅」です。
さて、寒い季節といえば、エアコンだけでなくストーブや床暖房が大活躍する季節でもありますね。
フローリングの冷たさ、窓の結露など、冬ならではのお悩みを感じている方も多いことと思います。
最近では「エコ住宅」「ゼロエネルギー住宅」「健康・快適な家」という言葉が注目され、本屋さんでも多く目にするようになりました。
省エネ住宅は、高機能の設備を導入するだけではなく、他にも工夫すべき事が沢山あります。
では実際にどのような工夫をすれば適えられるのか、ご一緒に考えていきましょう。
熱還流率とは?
屋根・壁・床・窓など、外気と接している部分の面積を「外皮面積」と言います。この外皮からいかに熱を出入りさせないかということが、省エネ住宅に影響します。
その「どのくらいの熱が出入りしてしまっているか」という事を表した数値を「外皮平均熱貫流率」と言います。
この数値が低いほど、少ない冷暖房費で快適に過ごせることを表しています。
そして外皮となる各部位を屋根・壁・床は、断熱材の断熱性能や厚みで変わってきます。
例えば夏場の屋根は、日光が照りつけ熱を吸収しやすい為、断熱材の厚みを変えると効果的です。
特に窓は熱の出入りが多く、全体の割合でみると夏は60%、冬は70%程度を占めています。
せっかくエアコンで温めた空気が窓から逃げていると思うと、非常にもったいないですね…。
そのくらい、窓の性能は省エネに深く関係しています。現在は2重ガラスの樹脂アルミの複合枠が主流で、アルミサッシに比べると断然性能が改善しています。
少しお値段は張りますが、3重ガラスの樹脂サッシもあり、海外では主流になっている国もあります。
建物の形や方位が肝心!間取りを考える上での工夫
材料や製品だけでなく、プランで性能を上げることも必要です。
まず一つは、南側から日光を沢山取り入れ、北側・西側の窓をなるべく少なくすることです。
夏と冬とで日射角度が異なりますが、夏は日射を遮り冬は日射が入るように庇の高さや出幅を調整します。
自然熱の利用とシンプルですが、実は効果的でとてもエコな方法です。またその為には南側に面する外壁を増やす必要もありますね。
さらに重要なのが、建物の形です。凸凹の多い住宅は外壁の面積が増えるため、熱の出入りする面積も増えます。
よりエコな住宅を計画したい場合は、形のシンプルな住宅にするとより断熱性が向上します。
気密性能UPでさらにエコ
気密性能とは1㎡あたりの隙間の量を表しており、「C値」とも呼ばれます。
気密測定試験機という機械を使って測定します。この隙間が少ないと、良質な空気がより逃げにくくなります。
気密性UPの方法としては、断熱材の室内側に気密シートを施工したり、専用の気密部材を使用したりすることで実現できます。
それだけ大工さんや業者さんの手間と時間が増え金額のUPもありますが、そうやって地道に気密をしていかなければなりません。
また、気密UPと同時に大事になるのが換気です。高気密になると隙間から空気が入ってこない為、室内の空気を十分に入れ替えられるような換気計画が必要になります。
ですので換気扇は基本的に24時間つけっぱなしにすることが望ましいです。ただ、冬は冷たい空気がダイレクトに入ってくることになり、消してしまう方も多いと思います。
そこで画期的な製品が「熱交換システム換気扇」と呼ばれるものです。
外気を取り込む際に室内温度に近づけてから強制的に給気し、室内の汚れた空気も強制的に排気してくれます。
この換気扇も初期投資が高くはなりますが、高気密住宅で健康的な空気を維持するために必要なことですのでオススメです。
いかがでしたでしょうか。
少しでもエコ住宅への興味を持っていただけると嬉しいです。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。