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不思議な文化が作る不思議な間取り~南イタリア バーリ~

スタッフよもやま日記「不思議な文化が作る不思議な間取り~南イタリア バーリ~」

みなさんこんにちは。設計アシスタントの芝です。
すっかり寒くなってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
私の周りは夏の方が好きという人が多いですが、冬は暑くないし、大晦日(一年で一番好きな日です)も誕生日もあるし、熱燗が美味しいし、布団に潜り込んで来た飼い猫と一緒に寝られるしで私は冬の方が好きです^^
今年はリモートワーク中にかまって攻撃をしてくる猫対策として、猫用ポケットの付いた部屋着用パーカーを買ったので、今からそれを使うのが楽しみです。そこに入って満足してくれたら万々歳なんですが…

さて、今回は以前に書いたイタリア旅行記の第二段、バーリについてのお話です。
前回は同じプーリア州のアルベロベッロについて紹介してますので、よかったらこちらもどうぞ。

>>「世界の不思議な住宅~南イタリア アルベロベッロ~」

バーリってどんな街?

赤い点線で囲まれた地域がプーリア州。ブーツのヒール部分に相当するのでイタリアでは「tacco(踵)」と呼ばれることも

バーリはイタリアのプーリア州の州都で大きな駅や空港もあり、プーリア州の玄関口にもなっています。
コロナがイタリアで蔓延し始めた頃、外で遊ぶ若者に「家でプレイステーションをしてろ!」と叱って回っていたバーリ市長が日本で話題になりましたね。

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日テレNEWS公式ツイッターアカウントより)

SNSでも拡散されていました。思わぬところで日本の製品が出てくると嬉しくなりますね

バーリは見ての通りアドリア海に面した港町なので海産物も豊富ですが、一番有名なのはなんといってもオレキエッテです。

パスタの名前の通り?おばあちゃんの味を中心に営まれる旧市街

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チーマ・ディ・ラーパというイタリアの菜の花のオレキエッテパスタ。日本では中々味わえない味です!

オレキエッテというのはイタリア語で「耳たぶ」という意味のショートパスタです。
バーリ旧市街に立ち並ぶ家では一階のドアを大きく開けて、その家のおばあちゃんやお母さんたちがオレキエッテを手作りしている所が見られます。

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通りに面したキッチンでオレキエッテを作っているところ

更に出来上がったオレキエッテは通りで天日干しにされながら手売りもされています。
特に看板なども無く、各家庭がそれぞれ自分の家で作ったオレキエッテを好き好きに売っているため、通りはオレキエッテの入った網籠がずらりと並び圧巻です。

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オレキエッテ通りと呼ばれるこの町独特の光景はバーリの観光名所の一つになっています。
この文化の影響で、旧市街の家は通り沿いのドアを開けたらもうキッチン!という驚きの間取りの家が多くあります。
普通じゃ考えられない間取りですが、黙々とショートパスタを作る横に大きな開口があるというのは導線の便利さだけでなく、空間的にもなんだか気持ちが良さそうですね。
更にバーリ旧市街地は道が細く向かいの家との距離が近いので、ご近所の奥様達と世間話に花を咲かせながら作業が出来るというのも魅力的かもしれません。

その他にもいっぱい!バーリの魅力的な建築物たち

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バーリのシンボル、ノルマンノ・スヴェーヴォ城

バーリにはノルマンノ・スヴェーヴォ城やバーリ中央駅など代表的な建築物がいくつかありますが、実はプーリアロマネスクという、独自の建築様式が見られる土地でもあります。
今回はプーリアロマネスクの代表であるサン・ニコラ教会とバーリ大聖堂をご紹介します。

サンニコラ教会

サン・ニコラ教会はその名の通り、サンタクロースのモデルとなったと言われるサン・ニコラをバーリの守護聖人として祀っており、サン・ニコラの不朽体(遺体)もこちらに安置されています。
ロマネスク様式というと「分厚い石の壁」・「小さい窓」・「半円型のアーチ」そして「装飾的な柱頭」が特徴ですが、バーリに建つこの教会では更に近隣で採れる石灰岩を使った美しい白い壁が印象的です。
同じくプーリア州にあるアルベロベッロのトゥルッリも石灰岩を使った伝統建築でしたね。
それだけこの近辺では石灰岩が豊富に取れたという事がうかがい知れます。

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大きくてシンプルなバラ窓が特徴的なバーリ大聖堂

バーリ大聖堂は、前述のサン・ニコラ教会をモデルとして作られました。
ファザードの大きなバラ窓や彫刻が細かなでありながらもシンプルなデザインで、ロマネスク様式特有の重厚感を和らげつつ、上品な印象にしています。
内部に入ってくる光も、石灰岩の白い壁がうまい具合に反射して柔らかい明るさを持っています。

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バーリ大聖堂内部

ちょっと小話。イタリアの風邪事情

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かわいいなと思って撮ったものの、調べる気力が無くて謎のままになってしまった建物(そんな写真が無数に…)

さて、ここまでイタリア、バーリの街と建築についてお話してきましたがいかがだったでしょうか?
こうやってブログにまとめてみて気が付きましたが、実はバーリでの記憶は結構曖昧で、写真もあまり良いものが残っていませんでした…
と、いうのもバーリへ向かう前々日のナポリで、シャワー中に宿の給湯器が故障してお湯が出なくなるというトラブルが発生しまして「その内お湯になるだろう」と楽観思考で水シャワーを続行した結果、真冬にしっかり体を冷やすという失態を犯すことに(本当に、なんですぐ出なかったんだろう…?)
更に翌日にはアルベロベッロまでの長距離移動と石造りのトゥルッリでの宿泊というダメ押しにより、バーリ当日は熱、喉、鼻、フルコンプリートの風邪をひくという大惨事でした。

バーリのファルマチア。緑色の十字マークの看板が目印です。中は日本の処方箋薬局みたいな感じ

こういう時、イタリア人はどうしてるんだろうなと思い調べた所、行き当たったのがファルマチアです。
国民皆保険が主流の日本では、風邪をひいたら病院というイメージが強いですが、イタリアでは大抵の体調不良はファルマチア、要するに薬局に行くのだとか。

さらに冬場にひく風邪は全部「インフルエンザ」という事になるそう(なんて大雑把な…)。

なにはともあれ、まだ旅程は半分近く残っていたのもあって、なにか薬をと、バーリを出発する前にファルマチアに寄ってみることに。

ただ、当時は2020年の2月頭。
今でこそコロナは全世界規模の物になりましたが、この頃はまだ日本でもコロナは武漢肺炎として「中国で流行り出して、もしかしたら日本でも流行するかもしれない新型肺炎」程度の認識。日本でも街や空港でマスクをしている人はまだ少数でした(今ではもう遠い昔の事のようですね)。
当時の日本でもそうだったのでヨーロッパ諸国では「コロナはアジアの物」という認識が強かったんじゃないかと思います。

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左から、シロップ・体温計・解熱剤・ポケットティッシュ。ティッシュはコンパクトでしっかりしていて日本の物より使い勝手が良い。

そんな中、明らかに旅行者という出で立ちのアジア人が拙い英語で「喉が痛くて熱がある」なんて言ったら嫌な顔されるだろうな、と覚悟をしつつ行ったのですが、実際には全くそんなことは無く。
薬剤師らしきおばあさんが、
「これは解熱剤ね、説明読める?読めない?1回1錠よ。体温計も必要でしょ?喉の薬はスプレータイプとシロップどっちがいい?シロップね。スプーンが付いてるからこうやって取って舐めるのよ」
とテキパキと身振り手振りで丁寧に説明してくれて(ヒアリング能力が壊滅的な私にここまで話を理解させた薬剤師のおばあさんは本当に凄い)、
最後は「バーリを楽しんでね^^」と送り出して貰えました。
思わぬ親切を受け、とても嬉しかった思い出です。

まとめ:バーリはいつかもう一度行きたい街!

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あらためて、今回のイタリア旅行バーリ編いかがでしたでしょうか?
記憶は曖昧ながらもどうしても紹介したい、魅力あふれる街でした!
プーリアはアルベロベッロ以外にもレッチェやターラントなど見所溢れる州なので、バーリを拠点に色んな街へ行ってみるのもおすすめです。
皆さんもぜひ行ってみてくださいね(体調にはくれぐれも気を付けて!)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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