こんにちは。施工管理の橋爪です。
すっかり気温が下がり、冬が近づいてきました。
冬が苦手な私はビクビクしております…泣
でもスノボーは大好きです!!同期とスノボーに行くのだけは楽しみにしております笑
さて、本日は紀州材についてご紹介しようと思います。
紀州と言えば梅?みかん?なんば焼?
いえいえ、紀州の木材も建築業界では有名なのです!!
目次
紀州・和歌山の木材「紀州材」
夢工房は「わかやま紀州材利用推進店」に登録されております。
「わかやま紀州材利用推進店」とは?
紀州材の利用に積極的に取り組む和歌山県外の工務店等を和歌山県知事が「わかやま紀州材利用推進店」として登録認定し、その活動を応援する登録制度のこと。(和歌山県のHPより)
弊社では新築をメインに紀州材の利用を推進しております。
ではその紀州材、他の木材と何が違うのでしょうか?
強い!美しい!心地よい!
紀州・和歌山県は、古くから“紀州・木の国”と呼ばれ、優れた木材を産み出す林業地として位置づけられてきました。
良い木が育つ条件には、お手入れをする山師さんたちの腕ももちろん、その地に根付いたDNAも関係していると言われております。
その地で育った木の種が、絶えることなくその地で育ち続けています。
では、紀州材の良さは一体何なのでしょうか?
紀州材のいいところ
①薬剤の未使用
国内で伐採・加工をして各地に送られるため、長期間の輸送などで発生するカビや腐食を防ぐ、防カビ剤・防腐剤は一切使用しておりません。
住宅や立地の環境により、カビが発生することもございますが、青カビですので体に害のないものとなります。
②粘り強い
狂いが少なく、強度・耐久性に優れています。
和歌山県の林業試験場にて試験研究が行われ、強度を数値化し、紀州材の強度が証明されております。
また、耐火性もあると証明された実験も行われ、快適性だけではなく、品質や機能性でも高く評価されております。
③美しい
紀州材は、年輪が詰まっており、色合いが良くつやがあります。
温暖多雨な和歌山の恵まれた自然環境の中、山師さんたちによる細かな手入れにより、50年以上の歳月をかけて大樹として育った証です。
植林の時点でも、樹種に適した場所に植えなければ、木が立派に育つかどうかが左右されます。
山師さんの豊かな経験と勘が重要になってくるそうです。
④心地よい
無垢の桧や杉を使用することにより、温かくやわらかな質感や香りが感じられ、心地よい住み心地をもたらしてくれます。
構造材だけではなく、内装の仕上げ材などにも使用すれば、昨今問題になっているシックハウスのトラブルもなくなりますね。
柱や梁などの構造材が表しになっている場合は、室内の湿気を吸収・放出するため、家中を一定の湿度に保つことも可能です。
*紀州の山では、山全体の面積の約43%弱が杉、約55%弱が桧、2%強がその他という割合になっております。
植林から構造になるまで
弊社がお願いしている材木屋さんでは、植林から製材、構造材になるまでのプレカット*まで一貫して行っております。
*プレカットとは…、構造材として使用する際の、長さのカットや接合部(在来工法での仕口)の加工を事前に行うことです。この加工技術が発達するまでは大工さんが手作業で行っておりました…!!(下の写真の赤丸部分が接合部の例です)
お家の一部として完成するまで、木々がどのように動いているのか、流れをご説明いたします。
1.植林・下刈り
先で述べたように、紀州で代々育っている木々の種子から育った苗木を山師さんたちがどこに植えるのが良いか判断をして植えていきます。
夏の間、手作業で苗木の周りの雑草を刈る作業を致します。日当たりの良い場所に植えるため、雑草も生えやすく、雑草たちに栄養分を吸い取られて成長を妨げられないようにするためです。
2.除伐・間伐
成長に伴い、除伐・間伐を行います。たくさんの木々が生い茂ってしまうと、必要な栄養分が万遍なく行き渡らなくなり、十分な光合成が行うこともできなくなり、成長ができなくなってしまうためです。
では、除伐・間伐がされた木々はどうなってしまうのか?もちろん、ゴミにはなりません。
後ほど出てくる「木材の乾燥」の工程で使用する、バイオマス燃料になります。
3.伐採
樹齢60~70年となった杉や桧を伐採していきます。
まずはチェーンソーで根本をカットし、空中に張ったワイヤーロープで簡易的にカットを行う場所まで下ろします。
木は凡そ12mくらいまで成長し、構造材はだいたい最長4mで使用するため、この時のカットは4mずつ行います。
4.製材
カットした丸太の皮を剥きます。これらの樹皮もバイオマス燃料になり、端材は木屑として製紙工場にも供給されているそうです。
丸太を構造材として四角く加工をしますが、どのように行っているかと言いますと、次の資料をご覧ください。
例えば、直径16㎝~20㎝の丸太から12㎝角・4mの長さの材料を取る場合、1本の木からはたったの4本しか取れないことになります…!
上の画像では綺麗に必要な寸法で材木が取れていますが、すべての木が必ず同じサイズとは限りません。
なので、1本の丸太から一種の材木を取るのではなく、土台や梁の構造材、壁下地や床下地の間柱・野縁など様々なサイズの材木を取るようにし、無駄がないようにしております。
この加工では、ただ必要サイズにカットするのではなく、まっすぐで曲がらない木材を作るため、職人さんたちが丸太の癖を瞬時に見極めて、自動製材装置との合わせ技で良質な材を作り上げています。
5.乾燥・品質検査
【乾燥】
弊社と提携している材木屋さんでは、じっくりと低温で木材を乾燥させております。
そうすることにより、木材の劣化や内部割れを抑えることができます。また、ここでバイオマスエネルギーを使用して乾燥を行っているため、CO2排出削減も兼ね備えているのです!
【品質検査】
品質検査では、職人さんたちが一本一本目視検査を行い、「割れていないか」「虫害はないか」「反りがないか」のチェックを行います。
この工程で節の程度も確認し、「化粧材」と「並材」の選別も行います。
※節の程度によって等級があります。節が少ないものから順に「無節」「特選上小節」「上小節」「小節」「一等」とされます。
化粧材で使用するときは、お家全体の雰囲気やお客様のお好みに合わせて手配いたします。
【含水率、強度測定】
加えて、マイクロ波による含水率を測定したり、曲がりにくさを測定するために定められた「ヤング係数」を測定します。
一般的な杉のヤング係数はE50以下が基本的ですが、紀州の杉は99.1%以上がE70以上に相当しております。
人々を守るお家の構造に最適ということが分かりますね!
品質測定を終えたら、含水率やヤング係数、産地、樹種、シリアルナンバーを木材に印字し、品質を見えるようにすることにより、お客様が安心してお使いいただけるようになっております。
こちらの材木屋さんでは日本農林規格(JAS)として公的に認められた木材なので、JASマークも印字されます。
6.加工
【CADオペレーション】
木材が完成したら、弊社社員と材木屋さんのCADオペレーターさんとで打合せをし、どこにどんな材料を使用するか等のお打ち合わせを重ねていきます。
【選別、プレカット】
お家の構造が決まったら、その部分にどの材を使用すると良いのかを職人さんが振り分けていきます。
そして、CADオペレーションのデータをもとにプレカット加工をし、さらに複雑な加工が必要になった場合は、職人さんによる手加工を行います。
これらの工程がすべて完了したら、各地の新築現場等へ出荷されます。
紀州材を使用した強く美しいお家の実例をご紹介
魅力たっぷりの紀州材を使用した施工事例をご紹介いたします。
家族が集まるリビングにアクセントの梁
施工事例をもっと詳しく見る> 「集うリビング」
見えない部分の構造材はもちろん、家族が集うリビングに大きな存在感溢れる紀州材の梁を使うことにより、温かみがプラスされます♪
数年後には経年変化により、色が濃くなるので、その変化を楽しむのもお家づくりのひとつですね。
最新の施工事例!!まさに「木を感じる家」
施工事例をもっと詳しく見る> 「木を感じる家」
いかがですか?この凛々しくも温かみのある5本の梁!
木目も美しく、無垢のキッチンやフローリングと綺麗にマッチしていますね♪
ただ梁として出すのではなく、ライティングダクトレールを取り付けることにより、照明もすっきりとスタイリッシュに仕上がっていますね。
他の写真もぜひ施工事例ページにてご覧ください!
まとめ
紀州材、いかがでしたでしょうか?
環境を考えて害のないシステムを構築している材木屋さん、長年の知恵や腕を存分に発揮してくださる山師さんたち、
今まで培われた紀州の山々のDNA、私たちを守ってくれる強く美しい紀州材。
更にはCo2を栄養とする木々のおかげで地球温暖化の対策にもなってくれているのです!
ぜひ使用したいですよね…!
構造としても、仕上げとしても使用できるので皆様もぜひお家づくり計画に取り入れてみては?
夢工房では紀州の杉と桧の丸太から椅子を作ろうとしております!今は自然乾燥中です!
完成したらまた皆様にご紹介いたしますね♪
最後までお読みいただきありがとうございました。