こんにちは。リノベーションアドバイザーの中田です。
本日は、和室のうんちくシリーズ3回目を語らせていただきたいと思います!
今回は「襖編」です。
目次
貼り替えできる襖とできない襖のちがい
「襖の貼り替えをお願いします」というご依頼をいただくことがございます。
貼り替えだけだったらそんなに費用はかからないでしょ〜と、お思いの方も多いかと思います。
しかし、マンションの押入れなどでは特に、「段襖(だんぶすま)」と呼ばれる、ダンボールの襖が一般的で、ダンボールで出来ているので襖の貼り替えが出来ないのです。
そのため、段襖の場合は貼り替えではなく交換となり、想定していたよりも金額がかかってしまいます。
まず、襖にはどんな種類があって、ご自宅の襖がどれに該当するのか、確認する方法をご紹介します。
襖の種類
施工事例をもっと詳しく見る> 「妥協しない住まい」
本襖
木製の格子組の上に下貼用の和紙を何枚も貼り重ねて下地材とし、その上に仕上げの和紙を上貼りして作られます。
戸襖
片面を襖仕立て、もう片面を板戸の作りとした特殊な襖。
近年では、合板建具の両面に和紙やクロスを貼って襖のように見せたものも戸襖と呼んでいます。
ダンボール襖
下地骨がダンボールで作られているもの。
3層程度にダンボールを重ねて芯材にします。
最近のマンションでは一般的に使用されています。
発泡スチロール襖
下地をダンボールではなく、発泡スチロールにしたものは「発泡スチロール襖」と呼ばれます。
加工がしやすく、とても軽いゆえに、歪んだり反ったりしやすいです。
また、足が当たっただけでも簡単に折れてしまいますので取り扱いには十分注意が必要となります。
襖の見分け方
触る
- ・本襖
- 骨組みと和紙がへこむ場所の感触がします。
- ・戸襖
- 片面は本襖のような感触、もう片面はへこむ場所はなく、全て硬い感触がします。または両面ともへこむ場所がなく全て硬い感触がします。
- ・ダンボール襖
- 骨組みも硬さも感じない感触がします。
- ・発泡スチロール襖
- 骨組みも硬さも感じない感触がします。
叩いてみる
- ・本襖
- 鈍い音がします。
- ・戸襖
- コンコンという木の音がします。
- ・ダンボール襖
- 鈍い音がします。
- ・発泡スチロール襖
- 鈍い音がします。
持ってみる
- ・本襖
- 軽いです。
- ・戸襖
- とても重いです。
- ・ダンボール襖
- 軽いです。
- ・発泡スチロール襖
- とても軽いです。
襖紙の種類
次に襖紙の種類をご紹介します。
鳥の子
襖の上貼りに使用される和紙として、原料に雁皮(がんぴ)を100%使用した越前和紙。淡い黄色をした雁皮紙の色が鶏の卵の色に似ていることから名前が「鳥の子」になったという説があります。
鳥の子にもいくつか種類があり、手漉きによる「本鳥の子」、“本”が付かない鳥の子は全て機械漉きになり、「鳥の子」「上鳥の子」「新鳥の子」に区分されます。
新鳥の子は量産タイプの襖紙であり、襖紙の中では最も安価な種類になります。
雲華紙
押入れの裏面に使用されます。
クロス
壁や天井に貼るクロスと同じ仕様も施工可能です。
モダンな雰囲気を作り出すことが出来ます。
ただし、片面クロス、片面襖紙というのは、両面で張力に差が出て反りの原因になってしまうため、施工はおすすめしません。
まとめ。日本の気候に合った和の材質
和紙でできている襖紙は、空気中のホコリや化学物質を吸着し、空気を浄化したり調湿機能性質があります。
この作用により色味が変化しますが、色が変化した襖紙は手軽に貼り替えることができ、経済的にも優しいです。
なお、畳や障子にも調湿機能がございます。
襖・畳・障子は日本独特のものです。
「夏は湿度が高くジメジメしていて、冬は湿度が低く乾燥している」、
そんな日本で快適に暮らせるように作られた空間が、これらを合わせた「和室」です。
近年では、清掃性やデザイン性の高い商材がたくさん出ています。
例えば
・襖 紙…クロス (従来は和紙)
・畳 表…樹脂製 (従来はい草等を使用)
・障子紙…プラスチック製 (従来は和紙等を使用)
これらは安価ではありますが、従来の特性を理解した上で比較してご検討していただければ幸いです。
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